2008年5月1日木曜日

減価償却

減価償却とは、有形固定資産の取得減価をその耐用期間における各事業年度に配分することをいう。代表的な減価償却方法として、毎期均等額の減価償却費を計上する定額法と、毎期期首未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する定率法とがある。

平成19年4月1日以降に取得した資産から適用される減価償却は、償却可能限度額と残存価額が撤廃された。定率法の償却率は、(1/耐用年数)×2.5とされた。

また、特定事業年度(償却期間中のある事業年度における残存簿価について、耐用年数経過時点までに1円まで均等償却したした場合の減価償却費が、定率法により計算した減価償却費を上回ることとなった事業年度)以降は、残存年数による均等償却により1円まで償却する。

減価償却の効果としては、固定資産の流動資産化(固定資産に投下された資本は、減価償却の手続きにより貨弊性資産の裏付けのある収益として回収されること)と自己金融(減価償却費は、支出を伴わない費用であるので、資金的には当該金額だけ取替資金が蓄積される。

これにより、借入または増資と同様の効果がもたらされること)とがある。

2008年4月22日火曜日

棚卸資産

棚卸資産とは、企業が販売を目的として保有する財産または用役をいい、商品・製品・仕掛品・半製品・原材料などの総称のこと。

売上原価は、期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高で計算される。棚卸資産の貸借対照表価額は、原則として購入代価または製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに、個別法、先入先出法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。平成20年4月1日以降開始事業年度から棚卸資産の評価に関する会計基準が適用される。

通常の販売目的で(販売するための製造目的を含む。)で保有する棚卸資産は、取得原価と、期末における正味売却価額を比較して、低い価額を貸借対照表価額とする。

正味売却価額の方が低い場合、取得原価との差額は当期の費用として処理する。収益性の低下により、投資額の回収が見込めなくなった場合には、品質低下や陳腐化が生じた場合と同様に、簿価を切り下げる。トレーディング目的で保有する棚卸資産については、市場価格に基づく価額をもって貸借対照表価額とし、簿価との差額(評価差額)は、当期の損益として処理する。

2008年4月21日月曜日

金融資産

金融資産とは、現金預金・受取手形・売掛金および貸付金等の金銭債権、株式その他の出資証券および公社債等の有価証券並びにデリバティブ取引により生じる正味の債権等をいう。

金融資産は、契約上の権利が発生した時点で認識し、契約上の権利を行使したとき、権利を喪失したとき、権利が他に移転したときに消滅を認識する。金融資産の消滅を認識した場合、帳簿価額とその対価との差額を当期の損益として処理する。

金融資産の消滅の認識方法には、「リスク・経済価値アプローチ(金融資産のリスクと経済価値のほとんどが他へ移転した場合に金融資産の消滅を認識する方法)」と「財務構成要素アプローチ(財務構成要素((将来のキャッシュ・フローの流入、回収サービス権、信用リスク等))ごとに他へ支配が移転したかを判定し、移転したものについては金融資産の消滅を認識し、留保されているものについては財務構成要素のぞ存続を認識する方法)」があり、金融商品会計基準では後者が採用されている。

受取手形、売掛金、貸付金その他の債権の貸借対照表価額は、取得原価から貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額とする。

デッド・エクイティ・スワップを実施すると、保有する貸付金が株式に変わるが、当該株式は時価評価するので、帳簿価額との差額は当期の損失として処理する。

2008年4月16日水曜日

株主資本等変動計算書

株主資本等変動計算書とは、貸借対照表の純資産の部の一会計期間における変動額のうち、主として株主に帰属する部分である株主資本の各項目の変動事由を報告するために作成するもの。

2006年5月の会社法施行日以降に終了する事業年度から、従来の利益処分計算書(損失処理計算書)に代わり、作成されるようになった。

株主資本の各項目は、前期末残高、当期変動額及び当期末残高に区分し、当期変動額は変動事由ごとにその金額を表示する。

株主資本以外の各項目は、前期末残高、当期変動額及び当期末残高に区分し、当期変動額は、原則として、純額を表示する。

2008年4月15日火曜日

自己株式

自己株式の取得は、会社法においては、分配可能額の範囲で、認めている。自己株式の取得は株価の安定化・組織再編への活用・敵対的買収への自己防衛策としてメリットがある。

自己株式の取得は、株主に対する会社財産の払い戻しの性格があると考えられるため、取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除する。自己株式の処分とは、保有する自己株式を引き受ける者を募集することをいう。

自己株式の処分に伴う自己株式処分差益は、その他資本剰余金に計上し、自己株式処分差損は、その他資本剰余金から減額し、減額しきれない場合はその他利益剰余金から減額する。

自己株式の消却とは、株式自体を消滅させることをいう。自己株式消却額は、その他資本剰余金から減額し、減額しきれない場合はその他利益剰余金から減額する。

2008年4月14日月曜日

役員賞与引当金

役員報酬は、確定報酬として支給される場合と業績連動型報酬として支給される場合があるが、いづれも職務執行の対価であり、費用として処理される。

役員賞与の経済的実態は業績連動型報酬と同様の性格であるので、同様に費用として処理される。

会社法では、役員報酬・役員賞与ともに定款に一定の事項を定めていないときは、株主総会の決議により定めることとされた。

当事業年度の職務に係る役員賞与を、期末後に開催される株主総会の決議事項とする場合は、当該支給は株主総会の決議が前提なるため、当該決議事項とする額またはその見込額(当事業年度の職務に係る額に限る)を、原則として役員賞与引当金として計上することになる。

税務上は会社法上の役員以外にみなし役員とされるものもおり、これらを含めた役員に対する賞与は、原則として損金不参入となる。ただし、事前確定届出書を提出している場合は、損金算入が認められるが、役員賞与引当金については、損金算入は認められない。

2008年4月11日金曜日

賞与引当金

賞与引当金とは、使用人に対して翌期に支払う賞与のうち、当期の費用に属する金額を見積り計上する場合における引当金のこと。

計上は支給見込額基準(賞与の支給額を合理的に見積もり、支給対象期間が当期に属する部分を引当金として計上する方法)による。税務上では、損金参入は認められない。